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ワクチン、打つ?

[2024.08.26]

みなさん、こんにちは。


まだまだ暑い日が続きますが、体調崩していないでしょうか。

 

熱中症のお爺さんのイラスト

 

さて、もうまもなくすると、インフル・コロナワクチン(予防接種)の定期接種が始まります。

 

65歳以上の方に関しては、各自治体から補助が出ますので、比較的安価に接種ができますが、そうでない方は全額自費での接種となり、特にコロナワクチンは高額です。

 

自費接種(任意接種)はもうすでに始まっていますが、自分は接種したほうがいいのかどうか?どのように判断したらいいのか?迷う方も少なくないと思います。

 

今回はそんな方に向けて、コロナのワクチンの効果や、接種すべきかどうかの判断基準について解説していきます。

 

インフルは以前から毎年行われていますので、詳しい解説は割愛します。

 

ワクチンのイラスト

 

 

結論

私見ですが、あえて先に結論を述べておきます。

 

・若い方(65歳未満):接種は必須ではない

・高齢者(65歳以上):積極的に接種検討を

 

では詳しくみていきます。

 

 

コロナの現状

以前のコラムで解説しましたが、要点だけあらためてまとめると、症状としては、が出たり、咽頭痛など感冒症状です。

 

発熱のイラスト(女性) 喉が痛い人のイラスト(男性)

 

ただし一般の風邪と比べると症状は重いことが多いです。

 

インフルエンザと同等か、それより少し重いという感じでしょうか。

 

かかったとしても基本的には特別な治療は不要で、若い方であれば数日で回復することが多いです。

 

経過中、熱が出たり咽頭痛が辛ければ解熱鎮痛剤(飲み薬)を使い、咳や痰が辛ければそれに応じた感冒薬を使います。

 

薬のイラスト「薬の紙袋」

 

 

重症化

ワクチン接種可否を考える上で、「重症化」というワードがポイントになります。

 

コロナが流行り始めた当初は、基礎疾患のない方、若い方でも「コロナ肺炎」といって、新型コロナウイルスが肺の奥まで入り込み、広範な肺炎をきたし、人工呼吸が必要になったり、場合によってはECMOという人工肺装置が必要になったりしていました。

 

人工呼吸器をつけた人のイラスト(お年寄り・気管挿管)

 

そのため、そのことを「重症化」と呼び、とても危険なウイルスだと恐れられていましたが、流行当初から5年が経った現在では、「重症化率」は極めて低くなっています。

 

今となっては、例えば基礎疾患のない40代の方がコロナ肺炎で人工呼吸を要する可能性はほぼ0に近いでしょう。

 

これは全世界に感染が拡がり、感染したことがある人の割合が多くなり、集団免疫が獲得されたことが一番の理由です。

 

ワクチンが全世界に普及し、人類全体として、新型コロナウイルスへの耐性がついたことも大きく影響しています。

 

免疫力の強い人のイラスト

 

 

高齢者

高齢の方に関しても、一般論として「重症化」率は当初と比べて格段に下がっています。

 

「新型コロナウイルスによるウイルス性肺炎」自体も格段に減っています。

 

しかし高齢者の場合、コロナ感染を含む何かしらのイベントをきっかけに、がくっと体力が落ちるケースが少なくありません。

 

コロナ感染で数日寝ていただけでも、脚の筋力が落ちて歩けなくなってしまった、それをきっかけに食欲が落ちてあまり食事が摂れなくなってしまった、飲み込みの機能が落ち、食事の際にむせて以前のように固形物をしっかり食べるのが難しくなってしまったなど、枚挙にいとまがありません。

 

食欲のないお年寄りのイラスト 床ずれ・褥瘡を予防している看護師のイラスト

 

ただ、これはコロナに限ったことではなく、例えば転倒による骨折なども同じような例ですし、入院になるケースも少なくないものの、コロナの「重症化」とは別にして考える必要があります。

 

 

ワクチンの効果

さて、ワクチンを打つとどんないいことがあるでしょう?

 

これまでわかっていることとして、ワクチンの効果は主にこの4つです。

 

・感染予防

・発症予防

・入院予防

・重症化予防

 

ウイルスが身体の中に入り込んで悪さをするのを防ぎ、もし体内に入ってしまっても症状が出ないようにし、症状が出たとしても軽症で済み、入院や重症化を防ぐ、というものです。

 

ただしこれらは、大勢の人々を集め、ワクチンを接種した人と接種しなかった人とで比べるとこうだったという研究結果で、あなた自身に今どの程度効果があるか、を示したものではありません。

 

世界的な研究では、当然日本人はごくわずかしか含まれていませんし、年齢もバラバラなので、集団を平均するとどうだったかという結果をうけて、自分自身という一個人にどういう影響がありそうかを推測する必要があります。

 

さて、若い方に関しては、入院予防や重症化予防についてはあまり考えなくていいのではないかと思います。

 

一般的には、ワクチンを打たなかったとしても、入院になったり重症化したりする可能性は今はとても低いでしょう。

 

ですので元気で若い人がワクチンを打つ目的としては、「感染や発症を予防し、発症したとしても症状を軽くする」ということになります。

 

コロナワクチン自体が高額なので当院では16,000円/接種を予定していますが、その効果にこの金額を支払う価値があるかどうか、で判断したらいいと思います。

 

ただし、打ったからといって、感染しない、症状が出ないことを保証するものではありません。

 

少なくともこれまで複数回ワクチン接種した若い人は、高額な費用を全額自費で支払ってまで接種する必要は必ずしもないのではないかと考えます。

 

ただし、高齢のご家族と同居されている方や、お仕事などで高齢者と接する機会が多い方は、そういった方々を守るという意味で、接種を検討してみてください。

 

立っている大家族のイラスト「親子三代」

 

インフルに関しては長年行われてきて、慣例的に接種している方も少なくないでしょう。

 

「感染や発症を予防し、発症したとしても症状を軽くする」ことを目的に、5,000円なら払ってもいいと思えるなら、引き続き接種をお勧めします。

 

 

高齢者のワクチン

高齢者の場合は考え方を変える必要があると先に述べました。

 

「新型コロナウイルス肺炎」による入院や重症化については若い人同様、あまり考えなくていいとは思います(若い人に比べたら多いでしょうが。)

 

しかし、若い人と異なる点は、感染や発症を防げたら、先に述べた「がくっと体力が落ちるケース」を防げる可能性が高いということです。

 

転倒骨折を防ぐために家の中に手すりを設置しておくのと同じです。

 

松戸市では、高齢者(65歳以上)に関しては、行政補助によりコロナは2,000円、インフルは1,000円の自己負担で接種できます。

 

そして一般的に、高齢なほど、これまで複数回接種しているほど、接種部位の痛みや、特に接種後の発熱・体調不良は少ないと言われています。

 

接種費用や副反応のデメリットは若い人よりかなり軽減されますので、総合的に考えると、接種しておいて損はないと思います。

 

財布からお金を取り出す人のイラスト(男性)

 

 

副反応、有害事象

一般論ですが、医療は諸刃の剣です。

 

何か医療行為をすると、どんな医療行為であっても、一定の割合で副反応や有害事象が発生します。

 

血圧のお薬一つとっても、そうです。

 

血圧を下げる効果が得られる反面、一定の割合で副作用が出る方がいます。

 

ある意味、楽してお金を稼ぐ方法が存在しないのと同じことです。

 

効果を得ようと思ったら一定のリスクをとる必要があるのです。

 

コロナワクチンの副反応として、発熱頭痛倦怠感吐き気筋肉痛などが一定の割合で発生することがこれまでの接種でわかっています。

 

そのほか重度のものだと、アナフィラキシー血栓症心筋炎などの報告もあります。

 

アナフィラキシーのイラスト

 

副反応が出た場合、中には数日でよくならず、入院が必要になったり、最悪症状が残ってしまったり、ごく一部ですが「ワクチン接種が原因で亡くなったと思われる」症例の報告さえあります。

 

個々人の視点でみると、こういった副反応が出ないに越したことはありませんが、社会全体でみると、残念ながら重度な副反応をゼロにするのは至極困難です。

 

半世紀少し前、自動車が普及して社会が大変便利になりました。

 

今でも自動車による交通事故死が毎日発生します。

 

高齢者の車の事故のイラスト

 

交通事故死をゼロにするために車の使用を禁止するということにはなりませんよね?

 

極力減らしゼロに近づける努力、対策は必要ですが、何をどうやってもゼロにはなり得ません。

 

60年以上の歴史があるインフルワクチンと違い、コロナワクチンはまだ始まって5年弱という新しいものです。

 

コロナワクチンによって10年先、20年先にどういうことが起こるかはまだわかっていません。

 

「副反応はある程度しかたがない」と片付けてしまうのは簡単で、そういうことを言いたいわけではありません。

 

そういったリスクもすべて含めて、接種するかどうか、したほうがいいか、自分自身でよく考えた上で決めることが大切です。

 

重要な効果が得られている反面、本当にごく一部、とても低い確率ではありますが、よくないことも起き得ますよ、ということです。

 

 

最後に

コロナワクチンの効果やメリットデメリット、接種可否の判断について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

 

あまり語られませんが、ワクチンが普及したからこそ、我々は今平和に暮らしていられます。

 

コロナワクチンが登場していなかったら、人類の危機だった可能性すらあります。

 

昨今色んなニュースや噂が流れてきますが、こういったことは科学・根拠に基づいた正しい情報によって判断することが大切です。

 

ファクトチェックをする人のイラスト(男性)

 

「ぜひワクチンを接種するように!」と流布して回ることはしませんが、この記事を読んでくださった皆さんには根拠のないデマや陰謀論を鵜呑みにしないようにしてもらいたいです。

 

ちなみにこのコラムも、科学的根拠をもとに執筆していますが、一医師の私見に過ぎません。

 

 

当院ではインフル・コロナワクチン接種 1012日()スタートを予定しています。

 

9月上旬から予約開始で、Web・お電話で予約を受け付けます。

 

ワクチン接種の予約のイラスト(ネット・おばあさん)

 

もう少ししたら専用ページでご案内しますので、お待ちください。

 

当然ですが、アナフィラキシー対策として注射薬、点滴、人工呼吸用のバッグバルブマスクなどを常備しています(アナフィラキシーの際には院内で初期対応をしつつ、救急車で総合病院へ搬送し入院となります。)

 

バッグバルブマスク・BVMを使う救急隊のイラスト

 

松戸駅から徒歩5分ですので、お近くの方は当院での接種をご検討ください。

 

それでは、また。

 


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