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予防接種 受けましたか?

[2024.11.14]

今シーズンの新型コロナウイルス 予防接種数・率が全国的にとても少ない現状です。

 

当院としては、65歳以上の高齢者の方に関しては、新型コロナウイルスのワクチンを接種しておくことをわりと強めに推奨します。

 

ただしそれは道行く高齢者を捕まえて「あなたコロナの予防接種しました?まだですか、なら接種したほうがいいですよ」と言う、という意味ではありません。

 

日本人を集団として見たとき、日本人集団が十分な人数・割合、ワクチン接種を行い、その結果、集団として一定程度、集団免疫を獲得できている状態を作っておくべき、というのが真意です。

 

どういうことでしょうか?

 

解説していきます。

 

 

予防接種とは

まず予防接種・ワクチンは、予防医療の一環です。

 

病気になる前に、それを防ごうとする取り組みです。

 

病原性のごく弱いウイルスそのものもしくは感染性のないそれに準じたもの(ワクチンによって様々です)を体内に投与・接種し、免疫をつけるのです。

 

あらかじめ体内で抗体を作っておくことで、実際にウイルスが体内に入ってきた際に、抵抗力を強くします。

 

それにより、症状の出現を予防したり、症状が出たとしても軽い症状で済んだり、結果として入院率・重症化率・死亡率を下げます。

 

予防注射を受ける人のイラスト(マスクあり)

 

集団免疫

一人一人におけるワクチンの効果も大事ですが、集団で接種することにより、つまり予防接種を受ける人が多くなればなるほど、人類vsウイルスの戦いを有利に進められます。

 

それが「集団免疫」と呼ばれるものです。

免疫を持つ人が多くなればなるほど、ウイルスは人間を打ち負かしづらくなり、つまりこの世界で増殖しづらくなり、弱体化します。

 

そうはいっても、ウイルスは毎年のように少しずつ装備を変え、そのワクチンや免疫をかいくぐって増殖しようと画策してきます。

 

「変異株」という言葉が流行りましたね。

 

新型コロナウイルスの変異株のイラスト

 

それに対応すべく、製薬会社もお金をかけ工夫をこらし、ワクチンをアップデートします。

 

実際、ワクチン接種後、一旦上昇した抗体価は、数ヶ月の期間を経て低下していくことがわかっています。

 

ビジネスのイラスト「業績ダウン・右肩下がりのグラフ」

 

抗体価はざっくり、免疫の強さを表します。

 

毎年の流行に備えるには、少なくともインフルエンザやコロナに関しては、毎年予防接種を受ける必要があるのです。

 

これまで何回も打ったから大丈夫、ということはないのです。

 

 

接種率伸び悩みの理由

東京都の医師会が最近コメントを出していました。

 

ワクチン接種が伸び悩んでいる原因として、

 

① 有料にはなったものの、65歳以上に対する、各自治体からの大幅な補助をもって現在ワクチン接種が行われていることの周知が十分でないこと

 

② これまで複数回接種したからもういいだろうと思っている人が多いこと

 

を指摘しています。

 

実際、松戸市からは今年から接種券・予診票を含むワクチン接種の案内が各世帯に送付されていません。

 

書類と封筒のイラスト

 

相対的に情報弱者の高齢者にとって、お知らせがないというのはかなり手痛いです。

 

当院の訪問診療で担当している患者さんの中にも「接種券や予診票がまだ送られてきていない」とおっしゃる患者さんが少なくありませんでした。

 

これでは特にかかりつけのない高齢者は、今シーズンの予防接種の存在を知り得ません。

 

こういう予防医療にお金をかけず、冬の流行期に感染者が増大し医療費がかさむようでは本末転倒です。

 

このままではいけません。

 

今からでも高齢の各世帯に行政から個別のお知らせを出してほしいと思っています。

 

国としても、テレビCMなどで、全国でやっていることを積極的にお知らせしてほしいです。

 

抗体はワクチンを打ってすぐに作られるわけではないため、インフルエンザやコロナが流行り始めてから予防接種をするのでは遅いのです。

 

抗体のイラスト

 

 

思いやりワクチン

以前のコラムで解説した通り、若年者の接種は必須ではないと考えています。

 

発症したとしても高齢者に比べて、入院になる確率はとても低いからです。

 

ただし感染した際に高齢者に移すと大変ですから、高齢者と関わりが多い方は若年でも接種をお勧めしています。

 

ワクチン接種は自分のためのみならず、家族や周りにいる人、社会全体を守るという思いやりの意味があります。

 

社会福祉士のイラスト(女性)

 

自分がコロナにかかるかかからないかという一個人だけの問題ではないのです。

 

日本人集団としての免疫が十分でないと、ウイルスは味をしめてさらに進化を遂げ、強力化します。

 

ウイルスのイラスト

 

2019年の流行開始当初と比べ、近年ではようやく「風邪のちょっと強いバージョン」と言われるまでに弱体化してきました。

 

これは、昨シーズンまでに皆で何回もワクチン接種を行い、ある程度の集団免疫がついたからです。

 

しかしこのままのワクチン接種率だと、またウイルスの力が盛り返してくる可能性があります。

 

あの頃の生活を思い出してみてください。

 

飲食店は軒並み営業を制限され、集会が禁じられ、ソーシャルディスタンス、3密回避、不要不急の外出禁止、家にいるか黙って仕事をするかしかやることがありませんでした。

 

濃厚接触のイラスト

 

あの頃の生活に逆戻りしたい人はいないはずです。

 

一人一人が予防接種を受けることにより、集団免疫がより強くなっていくのです。

 

そしてそのメリットはやがて一個人に還ってくるのです。

 

 

レプリコンワクチン

今シーズンから接種できるようになったレプリコンワクチンですが、話題になっていますね。

 

体内で抗体を作るもととなるmRNA(メッセンジャーRNA)が、体内で自己増殖することができるというのがこれまでのワクチンとの違いで大きな特徴です。

 

このためワクチンの効果が従来のものより長く持続すると言われています。

 

この自己増殖能ゆえに、接種した人の体内でウイルスが増殖し、周囲への感染性を持つのではなどという懸念が報道され、どこかの倫理団体や政治家が、危険である、接種すべきでない、と発信しています。

 

免疫の機序として、ウイルスそのものが体内で生成・増殖されるわけではないので、この懸念は理にかなっておらず、そうした実際の感染を示すデータ・研究も現時点では見当たらないため、根拠の乏しい批判となっています。

 

当たり前ですが、ワクチンをはじめとした新しいお薬は、決められた手順を踏んだ臨床試験を複数回経て、実際に世の中に出回る仕組みになっています。

 

とはいえ当然、100%の安全が保証されているわけではなく、ワクチン接種のメリットを享受するにあたり許容できる範囲の副反応だと判断されているということです。

 

車による死亡事故がなくならないけれど車が生産され続けているのと同じことです。

 

そうは言ってもプリコンワクチンは新しいワクチンですから、有効性・安全性のデータはこれまでのワクチンよりまだ圧倒的に少ないです。

 

何年かに1回のワクチン接種で済むようになれば嬉しいですが、それもまだわかりません。

 

ですので、今シーズンの予防接種にあえてレプリコンワクチンを選ぶ強い根拠もないように思います。

 

当院では現在、これまで接種されてきたファイザー社製を使っており、レプリコンワクチンは取り扱っていません。

 

そのほうが、来院される方にとっても安心かなと思って、です。

 

安心しているお婆さんのイラスト

 

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

 

まとめると、

 

1. 高齢者に対するワクチン接種が自治体からの大幅な補助により現在行われていることをしっかり周知してほしい

 

2. 流行期の感染爆発を防ぐため、集団免疫をつけるべく、一人でも多くの人(特に高齢者)が予防接種をしてほしい

 

3. 今のところは、レプリコンワクチンでなくても、実績のあるファイザーやモデルナのワクチンでよいのではないか

 

の3つが今回の主なメッセージです。

 

 

ある程度の人々が予防接種を受けていれば「ワクチンは個人の自由だからねえ」という立場ですが、このままの接種率だとそう悠長なことは言っていられません。

 

ぜひ皆さん、予防接種を受けましょう。

 

 

たくさんの方に予防接種に来ていただけるように準備をしているものの、今のところ、思ったほどご来院いただけていません。

 

65歳以上の方は、インフルエンザ 1,000円、新型コロナウイルス 2,000円で接種できます。

 

松戸駅西口から歩いてすぐ、同時接種も可能です。

 

特にかかりつけのない方、ご予約ご来院をお待ちしてます。

 

予約方法など詳しくはこちらをどうぞ。

 

 

それでは、また。

 

 

ウイルスと戦う人のイラスト(白衣の女性)

 

 

 

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