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寒い季節に要注意!その1〜心筋梗塞〜

[2023.10.26]

みなさん、こんにちは。

 

ようやく涼しくなってきました。

 

最高気温が20℃ぐらい。ちょうどいいですね。これぐらいが最高です。

 

さて、もう間もなくすると冬に突入しますね。

 

冬になると、どんな病気が増えるでしょうか?

 

風邪、コロナ、インフルといったウイルス感染症や、喘息など呼吸器疾患の増悪などがありますが、特に前者は命に関わることは多くありません。

 

一番怖いのは、そうですね、心臓です。

 

心臓発作・心筋梗塞のイラスト

 

このシリーズでお話しするのは、①心筋梗塞と②大動脈解離です。

 

細かい分類はまたあとでにしますが、ざっくり、発症すると3人に1人が亡くなります。

 

それも数日以内、あっという間に。

 

急に胸が痛くなったり苦しくなったりして、救急車を呼び、病院に着くころには心停止、といった具合です。

急ぐ救急車のイラスト

 

助かるケースのほうが多いということにはなりますが、昨日まで、ついさっきまで元気だった3人に1人が亡くなる怖い病気です。

 

どういう病気なのか、どういう人がなりやすいのか、どうしたらなりにくくなるのか、今回は心筋梗塞について、詳しく解説していきます。

 

心臓の構造

人体には、いくつもの臓器があります。

 

脳や肝臓、腎臓、腸をはじめ、心臓も臓器です。

 

どの臓器も、血液に乗って運ばれてくる酸素をはじめとした栄養を取り込んで機能を維持しています。

 

ところで、心臓は、横紋筋という筋肉でできている臓器で、全身から返ってきた血液を肺に送るとともに、肺で酸素をたくさん取り込んだ血液を全身の送り出す役割をしています。

健康な心臓のキャラクター

しかし心臓は、心臓の中を流れていく血液から栄養をもらっているわけではありません。

 

ではどうしているのでしょう?

 

正解は、心臓の外に張り付いている、3本の「冠動脈」という血管から栄養をもらっています。

心臓から全身へ、大動脈という太い動脈から酸素など栄養を含んだ血液が流れていくのですが、その大動脈の付け根から出ている細い動脈が、冠動脈です。

 

冠動脈によく血液が流れているからこそ心臓は元気に動いているのであって、冠動脈が狭くなってしまったり、詰まって血液が流れなくなってしまったりすると、心臓の動きが悪くなり、時には胸が痛くなります。

 

心筋梗塞とは

簡潔に言うと、その冠動脈が詰まってしまい、その先(の心筋)に血液が行き渡らなくなることで、その部分の心筋が壊死してしまうことをいいます。

 

一部の心筋が壊死することで、その部分の心臓=心筋は動かなくなります。

そのため全身へ血液を送り出す心臓の力が弱まり、心臓がうまく機能していない=心不全という状態に陥ることがあります。

 

症状としては、胸痛が最多です。

 

突然胸が痛くなったり、胸が苦しくなったりします。

 

冠動脈の根本から詰まると、意識を失ったり心臓が止まったりすることもあります。

 

冒頭に述べた、亡くなる方というのは、冠動脈の根本から詰まってしまっている場合が多いです。

 

心筋梗塞を疑った場合はすぐ救急車です(何があってももう病院には行きませんという方の場合を除く。)

 

病院に着いたら、血液検査心電図、心臓の超音波検査をします。

 

どうやら心筋梗塞だなという場合には心臓のカテーテル検査を行い、冠動脈に造影剤を注入して冠動脈の流れを確認します。

カテーテル検査(治療)のイラスト

冠動脈の途中で血液の流れが止まっていたら、心筋梗塞です。

 

同じような病気に狭心症というものがあります。

 

狭心症は、冠動脈が詰まる前段階で、冠動脈が動脈硬化などにより細くなって血流が少なくなっている状態をいいます。

 

いつか詰まって心筋梗塞になりやすいため、そうなる前に治療をしたほうがいいでしょう。

 

安静にしていれば何ともないけれど、走ったり階段を登ったりすると胸が痛くなる(息切れではない)というのが典型的な「労作性狭心症」の症状です。

 

心筋梗塞になりやすい人

一概には言えませんが、一番多い原因はやはり生活習慣病です。

 

高血圧脂質異常症(高コレステロール血症)、糖尿病などの生活習慣病や喫煙が長年に渡ると、動脈硬化といって、冠動脈をはじめとした全身の動脈がぼろぼろになっていきます

ベランダで喫煙する人のイラスト

 

そうすると、冠動脈がところどころ狭くなったり、傷ついた血管の内側に血栓といった血の塊ができやすくなり、いつか冠動脈が完全に詰まってしまうのです。

血栓のイラスト

人それぞれ考え方は違うと思いますが、長生きをしたい、いつまでも健康でいたい、心筋梗塞をはじめとした心臓病にはなるべくなりたくないという人は、普段の食事や運動に気を使い、生活習慣病にならないようにする、なってしまった場合はそれ以上進行させないといったことが大切です。

 

心筋梗塞の治療

さて、心筋梗塞と診断されたら、冠動脈の流れを途中でせきとめてしまっている原因(だいたい血栓)があれば、それをカテーテルで吸引したり溶かしたりして、途絶した血流を再開させます。

 

冠動脈が狭くなっていることがほとんどですので、その部分を風船(バルーンといいます)で膨らませたり、ステントという金属の筒を入れ、再び狭くならないようにします。

バルーン血管形成術のイラスト

再度狭くなったり詰まったりしないように血液をサラサラにする薬を飲みます。

 

そういった根本治療のほかに、心臓の動きが悪くなったことによる心不全の治療も必要です。

 

細かくは省きますが、よほど心臓の動きが悪くなってしまった場合には、心臓の動きをサポートする薬を使ったり、IABP・インペラ・エクモなどといった、心臓を強力にサポートする「補助循環」という機械を体内(太い血管内)に入れる治療が必要になることもあります。

 

ECMO治療を受ける患者のイラスト

 

最後に

言いたいことは、とにかく、心筋梗塞になったら大変だということです。

 

心筋梗塞になったことがあっても、その後何十年と元気に過ごされる方も中にはいますが、心筋梗塞になっていない同年齢の人と比べると、当然、長くは生きられません。

 

今の医療では、一度心筋梗塞になってしまうと、ダメになった心臓の機能が回復することはないからです。

 

軽い心筋梗塞で済めばいいですが、亡くなってしまう人や一命をとりとめても生活が一変してしまう人も少なくありません。

 

心筋梗塞に限った話ではありませんが、自分だけの命ではありません。

 

たまには将来自分がなりうる病気について考えてみる時間を設け、食事や運動など、将来の自分や家族のために、今の自分にできることがないか、検討してみてはいかがでしょうか。

 

いつも同じ話ですが、劇的に生活を変える必要はありません。

 

少しずつ、継続して変えていくことが大切です。

 

もっと寒くなった時期に、続編『寒い季節に要注意!その2〜大動脈解離〜』を公開予定です。

 

それでは、また。

 

 

 

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