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春の花粉症

[2024.02.29]

こんにちは。

 

2月に入りコートが必要ないほど暖かい日も増えてきましたね。

 

気象庁は2月15日に関東地方で「春一番」が吹いたと発表しました。

 

昨年の3月1日よりも2週間早い春の便りです。

 

風の強い日のイラスト

 

さて、春一番が吹いた、となると、そうですね、花粉症の季節がやってきました。

 

今回は春の花粉症について、秋の花粉症とは何が違うのか?というところをメインに解説していきます。

 

花粉症とは

まずは前回のお話の復習です。

 

花粉症は「特定の花粉に対するアレルギー反応」です。

 

専門用語でいうと「季節性アレルギー性鼻炎」と言います。

 

ちなみに季節性でないものは「通年性アレルギー性鼻炎」と言い、こちらはほとんどダニなどのハウスダストが原因と言われています。

 

鼻から花粉を吸って、それが鼻の粘膜を通して体内に入ることで身体が花粉を異物(=敵)と認識して「抗体」を作ります。

 

一度身体が敵を覚えてしまったあとは、花粉を鼻から吸うと、花粉と「抗体」が反応し、発作的に繰り返し起こるくしゃみ・サラサラとした透明の鼻水鼻詰まりといったいわゆる花粉症の症状が出現します。

くしゃみをしている人のイラスト(花粉症)

 

花粉の飛散量が多いと体内に花粉が入ってきやすく、その結果花粉症を発症しやすくなります。

 

花粉症を発症するかどうかは花粉が体内に入ってきた量と、後はその人の体質・遺伝的なところが大きいと言われています。

 

春の花粉症

さて、春の花粉症について話を戻します。

 

こちらをご覧ください。

鼻アレルギー診療ガイドラインより

 

秋の花粉症はヨモギやブタクサ、イネなどが主な原因でしたが、春の花粉症はスギやヒノキが主な原因です。

 

秋の花粉は雑草の花粉が主でしたが、春の花粉は樹木の花粉です。

 

そのため、風に乗って数百kmもの遠くより都市圏に運ばれてきて、大勢の人に一斉に花粉症の症状を引き起こします。

 

また、秋の花粉と違い、スギを代表とした春の花粉は粒子が大きく、鼻の粘膜に留まりやすいため、秋の花粉症よりもくしゃみ・鼻水・鼻詰まりといった鼻の症状が強く出ると言われています。

 

図をみると、スギ、ヒノキの花粉は1月にはもう飛び始め、3月〜4月がピークで、長引く人だと5月中まで症状が続くことがあります。

 

まだまだこれからということがわかります。

 

日本においてアレルギー性鼻炎は1960年代後半より増えてきており、最初はダニハウスダストによる鼻炎がメインでしたが、ここ最近は都市部でのスギ花粉症が取って代わり、大きな社会問題となっています。

 

2020年の報告では、スギ以外の花粉症の有病率が25.1%なのに対し、スギ花粉症の有病率は38.8%と多く、春の時期、スギ花粉に悩まされている方が多いことが伺えます。

 

日本では終戦後より全国の山林でスギを植林し始めました。

 

そのスギが育ち、花粉産生能力が増えると言われている樹齢30年以上のスギが増えてきたことで、スギ花粉の飛散量が増えていて、その結果、スギ花粉症の人が増えていると言われています。

スギ花粉のイラスト

 

こんな日にスギ花粉が多い

環境省の報告によると、スギ花粉は、飛散が始まって7日〜10日後くらいから花粉の量が多くなってくるようです。

 

その後4週間程度が花粉の多い時期となり、この期間内に次のような天気になると花粉が特に多くなります。

 

  1. 晴れて、気温が高い日
  2. 空気が乾燥して、風が強い日
  3. 雨上がりの翌日
  4. 気温の高い日が2~3日続いたあと

 

また、スギ花粉の量は一般的に昼前後〜日没後に多くなるようです。

 

これは、気温が上がって午前中に飛び出した花粉が数時間後に都市部に到達するためと、上空に上がった花粉が日没後に地上に落下してくるためと考えられています。

 

最近は花粉飛散情報もテレビやニュースなどでよく目にすると思います。

 

花粉が多いと言われている日には、マスクやメガネをして体内に入る花粉の量を抑えましょう。

メガネとマスクとイヤフォンが絡まった人のイラスト

 

花粉症の検査

スギ花粉に限らずですが、ここで花粉症の検査についてお話をします。

 

典型的な花粉症の症状(発作的に繰り返し起こるくしゃみ・サラサラとした透明の鼻水・鼻詰まり)があって、厳密には鼻粘膜をファイバースコープにて確認し、鼻の粘膜が赤く腫れるような所見があった場合は「花粉症」と診断がつきます。

 

この後お話しする「舌下免疫療法」を行う場合や、どの草木による花粉症なのかを診断をつける場合は、採血皮膚テストなどで原因検索を行います。

採血のイラスト(健康診断)    プリックテストのイラスト(針)

 

 

舌下免疫療法

基本的な花粉症の治療薬については秋の花粉症と変わりありません。

 

内服薬点鼻薬を使って、症状を起こす物質(ヒスタミンなど)の働きや鼻の中の炎症をおさえて症状を和らげます。

 

その他に、花粉症は「スギ」に対してのみですが舌下免疫療法という治療を行うことが可能です(その他にはダニによる鼻炎に対しても行うことが可能。)

舌下免疫療法のイラスト

 

この治療は、アレルゲン免疫療法といって、身体をアレルゲン(=異物・敵)に慣らして、症状を和らげたり、根本的な体質改善を期待する治療法です。

 

日本ではシダトレン®︎、シダキュア®︎という商品名で処方されています。

 

これらの薬はシダ花粉からとったアレルゲンエキスを含んでいます。

 

「舌下」免疫療法と名前のついているように、薬を舌の下に置き、薬ごとに定められた時間置いた後に、飲み込みます。

 

1日1回、数年間毎日内服する必要があり、またスギ花粉が飛散していない時期から開始する必要があるので、治療開始の時期は6~12月となること、処方できる医療機関が限られており定期的な診察が必要なこと(治療可能な病院は製薬会社のHPより検索可能)などの制限があります。

 

また、体内に意図的に異物を入れる治療なので、以下のような副作用に注意が必要です。

 

  1. アナフィラキシー(ひどいアレルギー症状、特に治療開始初期)
  2. 口の中の浮腫、腫れ、かゆみ、不快感、異常感
  3. 唇の腫れ
  4. 喉(のど)の刺激感、不快感
  5. 耳のかゆみ

アナフィラキシーのイラスト

 

しかし正しく治療をすると、アレルギー症状を軽くしたり、長期にわたり症状をおさえる効果が期待できます。

 

症状が完全におさえられない場合でも、症状を和らげ、アレルギー治療薬の減量が期待できます。

 

メリット・デメリットを理解した上で、治療を受けるかどうか、選択しましょう。

 

 

 

いかがでしたでしょうか。

 

少しでも花粉症でお悩みの方の助けになりますと幸いです。

 

 

それでは、また。

 

 

 

 

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